パーントゥから逃げきった少年
パーントゥは海の彼方からやってきたとされているが、泥と草を身に纏い、そして仮面を付けている。海から来たのであれば藻を身にまとうのではないか。
少年は「なぜ?」が頭のなかで増幅していった。
大人に会う度に質問したが、納得できる答えは得ることはできなかった。泥に塗れているのはカモフラージュなんじゃないのか?そう思った少年は、海からやってきたのではなく、山からやってきたのではないかという仮説を立て、パーントゥから逃げ切る作戦を立てた。
学校の帰り道、角を曲がった100m先にパーントゥがいるのに気づいた。俯きながら歩いていたパーントゥが少年に気づくと、もの凄い早さで少年に向かって走ってきた。急いで逃げながらリュックに入れておいた海辺の砂を握りしめた。パーントゥが20mくらいまで追いついてきた。少年は振り返り握りしめていた砂をパーントゥに向かって投げつけた。
1977年 パーントゥ出版 森あゆむ『パーントゥから逃げきった少年』33Pより引用
2019 ランドセル(パーントゥから逃げきった少年 エイプリルフールモデル)
上部からすぐに文具(砂)を取り出すことが可能